こんにちは。
システム&キャリアコンサルタント きくちかなこ です。
さてさて。
【業務フローの書き方】的なことを書こうと思いつつも、ふと疑問が浮かび、それを思案しているうちに気付いたことをupします。
ナゼ、システム化は揉めるのか?
ナゼ、ユーザーとベンダーで話も思いも通じないのか?
それらを「何故だろう???」と考えているうちに、自分がSE側の認識のみで事を見ている、、、ということに気が付きました。
SE側(ベンダー側)としては、
・ユーザーは要件を提示すべき。しかも仕様がブレないように確定したものを提示してくるものである。
・ユーザーは自分たちのやりたいこと、実現したいことを明確に想定出来ている。
・ユーザーが提示した要件はユーザー側が皆納得して決定したものである。
などなど。
基本的には『ユーザーは完璧な仕様を提示してくる』と考えるベンダーが多いと思います。
・・・ちなみに私としては、「完璧な仕様は絶対にない!」と経験上思っています。仕様がブレるのは当たり前である、、、と。
現に、現場常駐SEを引退するまでの数年の間、ユーザーから直接仕事を受注したベンダーがよく言っていた言葉は、
「仕様通り。それ以外のことはやらない。言われたことだけやる」
という、どちらかというと後ろ向きな仕事の仕方でした。まーつまらん(笑)
コンプライアンスだの、IT判例だのから鑑みると、仕方なしと捉えざるを得ません。
厳しいことを言うならば『言われたことしかしないSE』(言われたことも出来ないSEも多いと思います)が極端に増えたなぁ、、、と思っていますけどね。
私が30代中頃までの現場だと、ユーザーの仕様に対して、設計を進めていくとどうしても辻褄が合わないことだったり、無駄な処理・帳票では?と感じたものについては、ダイレクトにユーザー側に質問や提案をしていました。周りもそういったSEが多かったです。
例えばユーザー側に「この帳票の使い方は?誰がいつどう使いたいのか?」を聞いてみると、ユーザー内部で確認しあった結果「不要な帳票だった」ということも何度もありました。
現場のヒアリングだけでは、「今までこうだったから」といった感じで、ムダをムダと捉えていないことも多々あります。
それを第三者の指摘によって本当に要るのか見直すことでムダと判明します。そうなれば見積もり費用も減りますからね。
ところが、いつの頃からか
「ユーザーが提示した仕様通りに作ればよい。ヘタな口は出すな」
といった空気が増えてきました。
それによって、ユーザーの目線でシステムを考えるSEが激減したように思います。
昔、提案していた人達も、その想いを封じられたり、、、といったことも目にしてきました。
私も何度となく封じ込められそうになっていました。
・・・間違っているものや、おかしいぞ?と思ったことは黙っていられないタチなので、、、QA打ち合わせの際に、あえて聞いてみたりしてました。
後からベンダー側から嫌がらせ的なものはタップリいただきましたよ(;^ω^)
そうなると、要件がフワフワしたものが提示されてもそれを指摘することもなくなります。
どうしても聞かないと進まない、となるとその部分だけを確認して終わらせる、、、感じ。
業務の全体を見る、というSEはホンットに減りました。
「全体見ないと担当部分の業務の真の目的とか見えないじゃん!」
そう言うと
「なんで全体見なきゃいけないの?目的?そんなん関係ないじゃん」
と言われることが多くなったのも事実です。
・・・実際言われましたし(゚Д゚;)
私が現場常駐SEを引退する頃には、
・要件はユーザーが出してくるもの。設計が進まないのはユーザーのせい。
→「要件どころか、ほぼ外部設計レベルをユーザーに求めてるやん(゚д゚)!」というくらいにSEのレベルが落ちていたり。
・SEはユーザーの指示通りに物を作ればよい。余計なことは考えない。
→その仕様が辻褄あわなくても何も指摘せずそのまま、、、という方針だったり。
もう私には我慢できない仕事の仕方だった、という感じでした。
『我慢できない』仲間たちは何人かいましたので(^^;
ユーザー側へ確認したり話をしたりでモヤのかかった仕様をクリアにするようにしていましたが。
モヤのかかった仕様のまま、モヤっとしたシステムを作る(逆にどうやったら作れるのか教えてほしいくらい)SEが多くて、当然のことながら後から大モメにモメるというのも見てきました。
そうなんです。。。
「ユーザーは完璧な仕様を出してくるべき!
SEはその通りにモノを作るだけ!」
というベンダーの隠れた要求があるわけです。
ベンダーにとっては暗黙の了解的な、『常識』と思っていること、ですね。
けど、、、ユーザー側って、、、
そんな常識知らんがなっ!!
じゃないですかね?
ということで。
次は【SEの役割】についての記事にしたいと思います。
今日も読んでくださってありがとうございます。